2025-06-27

「モールス信号の覚え方」をゼロから徹底解説。初心者でも安心の日本語(和文)語呂合わせから、自衛隊も実践する本格的な練習法まで、音で覚えるコツを網羅した完全ガイドです。

「モールス信号って、なんだか難しそう…」「点と線の羅列を全部暗記するなんて無理!」

そう思っていませんか?実は、モールールス信号の学習には効率的な「コツ」が存在します。この記事では、初心者の方がゼロからモールス信号を覚えるための最も効果的な方法を、**「語呂合わせ」**を使った楽しいアプローチから、プロ(自衛隊員やアマチュア無線家)が実践する本格的な練習法まで、徹底的に解説します。

この記事を読み終える頃には、あなたもモールス信号の世界への第一歩を自信を持って踏み出せるようになっているはずです。

大前提:モールス信号は「音」で覚えよう!

まず、最も重要な心構えからお伝えします。それは、**「点(・)と線(-)の形ではなく、音のリズムで覚える」**ということです。

多くの初心者がつまずくのは、「アは『・-』だから、トン、ツーだな」というように、頭の中で「文字→点線→音」という二段階の翻訳をしてしまうことです。これでは、速い信号を聞き取ることができません。

目標は、「ト・ツー」という音のリズムを聞いた瞬間に、頭に「ア」が浮かぶ状態です。ちょうど、外国語の単語を聞いて意味が直接わかるのと同じ感覚です。

この「音感」を養うことが、上達への一番の近道です。

ステップ1:初心者向け「語呂合わせ」で楽しく始めよう!

音で覚えるのが基本ですが、取っ掛かりとして非常に有効なのが**「語呂合わせ(ごろあわせ)」**を使った記憶法です。これは、各文字のモールス信号のリズムに合わせた日本語のフレーズを当てはめて覚える方法です。

特に、日本語のモールス信号(和文)の覚え方としては、この方法が古くから使われており、非常に効果的です。

以下に代表的な語呂合わせの一覧表を記載します。まずは知っている言葉から、リズムを口ずさみながら覚えてみましょう。

和文モールス信号 語呂合わせ一覧

| カナ | 符号 | 語呂合わせ | リズムの解説 | | :--- | :--- | :--- | :--- | | | ・- | 当てた (A-te-ta) | 短・長 | | | -・ | イトー (I-to-) | 長・短 | | | ・・- | 動いた (U-go-i-ta) | 短・短・長 | | | -・--- | 英雄物語 (E-i-yu-u-mo-no-ga-ta-ri) | 長・短・長・長・長 | | | ・-・・・ | 思う方 (O-mo-u-ho-u) | 短・長・短・短・短 | | | ・-・・ | 通うほう (Ka-yo-u-ho-u) | 短・長・短・短 | | | -・-・・ | きいてくれ (Ki-i-te-ku-re) | 長・短・長・短・短 | | | ・・・- | 組みにくい (Ku-mi-ni-ku-i) | 短・短・短・長 | | | -・-・- | さようなら (Sa-yo-u-na-ra) | 長・短・長・短・長 | | | --・-・ | 証明書 (Sho-u-me-i-sho) | 長・長・短・長・短 | | | ---・- | スムーズに (Su-mu-u-zu-ni) | 長・長・長・短・長 | | | -・ | ターン (Ta-n) | 長・短 | | | ・・-・ | 注意せよ (Chu-u-i-se-yo) | 短・短・長・短 | | | ・--・ | 都合よく (Tsu-go-u-yo-ku) | 短・長・長・短 | | | ・-・ | 習う (Na-ra-u) | 短・長・短 | | | -・-・ | 日本の (Ni-ho-n-no) | 長・短・長・短 | | | -・・・ | 這う虫 (Ha-u-mu-shi) | 長・短・短・短 | | | --・・- | 非常に良い (Hi-jo-u-ni-yo-i) | 長・長・短・短・長 | | | -・・- | 待てば良い (Ma-te-ba-yo-i) | 長・短・短・長 | | | ・・・ | ららら (Ra-ra-ra) | 短・短・短 | | | ・-・-・ | ん、廻り道 (N, ma-wa-ri-mi-chi) | 短・長・短・長・短 | | 濁点 | ・・ | ダク (Da-ku) | 短・短 | | 長音(ー)| ・--・-| 長音引けば (Cho-u-o-n-hi-ke-ba) | 短・長・長・短・長 |

ポイント: 語呂合わせはあくまで「杖」です。この杖を頼りに歩き始め、慣れてきたら杖なしで歩けるように(=音だけで判断できるように)なるのが最終目標です。

ステップ2:プロへの道 - 自衛隊やアマチュア無線家が実践する学習法

語呂合わせに慣れたら、次はより本格的なトレーニングに進みましょう。これは自衛隊での通信訓練や、アマチュア無線家が実践する方法で、確実な聞き取り能力(受信能力)を身につけるためのものです。

1. コーチ法(Koch Method)

非常に有名な学習法です。

  1. まず2文字だけを完璧に覚えます。(例:「ア」と「イ」)
  2. その2文字をランダムに再生するツールを使い、聞き取り練習をします。
  3. 90%以上の正答率で聞き取れるようになったら、新しい文字を1つ追加します。(例:「ア」「イ」「ウ」の3文字で練習)
  4. これを繰り返し、少しずつ覚える文字を増やしていきます。

この方法の利点は、常に高い集中力と達成感を保ちながら、着実に語彙を増やせることです。

2. ファーンズワース法(Farnsworth Method)

これは「音感」を養うのに最適な方法です。

  • 文字を構成する点(・)と線(-)の再生速度は速いまま(例:目標の20WPM)。
  • しかし、文字と文字の間の無音時間(間隔)を長く取ります。

これにより、速いリズムの「音の塊」として文字を覚えることができ、同時に、次の文字が来るまでの間に思い出す時間を確保できます。慣れてきたら、徐々に文字間の間隔を短くしていきます。


ステップ3:【最重要】知識をスキルに変える「実践練習」

ここまで読み進めたあなたは、もうモールス信号を学ぶための「地図」を手に入れました。しかし、地図を眺めているだけでは目的地には着けません。ここからが本番です。

📚 読むのはここまで!あなたの訓練は、今ここから始まります。

知識を本当のスキルに変える唯一の方法は、実際に音を聞き、手を動かすことです。

当サイトの**モールス信号変換ツール**を使って、今日から練習を始めましょう!

  • 「語呂合わせ」で覚えた言葉(例:「さようなら」)を実際に入力し、その音のリズムが語呂合わせと一致するか確認してみましょう。
  • あなたの名前や好きな言葉を変換して、その音を何度も聞いてみましょう。
  • 友達に送りたいメッセージをモールス信号にして、音声を送ってみるのも面白い練習になります。

さあ、今すぐツールを開いて、最初の「・-」(ア)の音を聞いてみてください!

→ 無料のモールス信号変換・翻訳ツールを使ってみる